お初にお目にかかります。
2月に明橋文学の所属となりました。時谷翠と申します。お名前だけでも覚えていただければ幸いでございます。
よく「下の名前なんて読むの?」などと聞かれるのですが、あなたが読んだ呼び方でお声かけいただければ大丈夫です。名前は大事ですが、音に意味はないと考えています。
まずは私自身のことを少々お話しさせていただきましょう。
北海道札幌市出身、大学進学とともに上京いたしました。現在21歳です。
趣味は映画鑑賞、カラオケ。
好きな作家は森見登美彦氏です。
明橋文学では主に舞台映像撮影・編集などを担当しております。
私の所属に至るまでの過程はざっくりと、以下のようになります。
高校入学後、演劇部に所属して演劇を楽しみ、舞台に立って生計を立てられるようになりたいと思い、上京しました。大学1年で別名義にて劇団を立ち上げ、旗揚げ公演を打ったものの、赤字になり、また、当時の人間関係などから、舞台演劇に限界を感じ、これでは食べて行けないと思い、そこで演劇は趣味として続けて行こうと思いました。そんな折、私の劇団での公演を見て、オファーを下さったのが零人さんでした。1作目のヨウセイは私の事情で参加できなかったのですが、「夢途切」に参加させていただき、明橋文学に客演として関わりました。
「わかる人にわかれば良い」を甘えの意味で使わず、単純にストーリーとして楽しめるものでありながらも、そのストーリーの登場人物であったお客様にはその奥にあった意図までも楽しんでもらえるような、そんな作品を書いた零人さんを心底すごいと打ち上げ会場の居酒屋で畏敬の念を抱いていたのを今でも覚えています。
ただ、明橋文学に所属した経緯は、そんな凄い零人さんの下で演劇を勉強したい、だなんていう舎弟気質なものではなく、いや、勿論それもあるんですが、主だった理由は他にあります。
「夢途切」の小屋入り期間中、激務に追われていた零人さんの役に立ちたいなと思い、舞台監督の仕事を教えていただきながら手伝わせていただき、その際に当時の舞台監督補佐であった時谷夕依さんから分名頂き、時谷姓を名乗り、当時の役のイメージカラーであった緑から名前をつけさせて名乗らせていただくに至りまして、別公演の舞台監督補佐として仕事をさせていただくにあたり初めてこの名を用いました。当初は別の方の個人ユニット、南蛮菓子製作所の所属で名乗らせていただいたのですが、その際に零人さんが「明橋文学は名乗らないの?」と言っていただけたので、これ幸いと思い、所属とさせていただきました。私自身の感覚としては「今日、泊まっていきなよ」「じゃあそうするよ。ありがとう」ぐらいの感覚だったのですが、あの人にとって私の所属が大きな意味を持っていたことは非常に嬉しく思います。
明橋文学の主義と私の主義
これはあくまで私の考えですが、集団というのは何か一つの目的や共通の行為をベースに形成されるものですが、明橋文学においては「希望を語る」ことがベースです。宗教じみていますね。ただ、希望を語ると言っても神がどうだとか、人はこうであるだとか、そんな高説を垂れるわけではなく、人と人とが生きて行く中で起こりうること、人が人に抱く感情、そういうものに希望を見出していくのが明橋文学なわけです。零人さんからそう言われたわけではないので、これが正解かわかりませんが、少なくとも私はそう思っています。
人間というのは今や蟻や蜂などと同じように完全なる個としては存在できない生物で、どこかしらで情報伝達を行い、相互補完しあってその命を永らえているわけですが、そこに性格や感情が絡むことで集合全体は非常に複雑で面倒なものになっています。その中には、分かり合えない種というものが必ず存在します。戦争が続いているんですから況や個人をやですよ。そして戦争というものは必ずそこに勝利を目指すものであり、勝利によってもたらされるのは己が価値の肯定などがあるわけです。勝てば官軍ってやつですね。では負けたから間違っていたのだろうか。そんなことはないはずです。その個人にとっては負けたからと言ってその価値観が変わるわけではありません。結局戦争によって確実にもたらされたのは大きな利益か大きな損害のどちらかなのです。急に大きな話をして何が言いたいのかと言いますと、人っていうのは考え方が全く同じではないのですが、似ている人だっているわけで、それ自体は変えようのないものです。変えられるのはその上で、自分は何をするのか、どこに身を置くのかということです。私は、マイノリティであると自覚しつつも、そのマイノリティな考えに共感し、時に物申してくれる零人さんのいるところでいろいろなことを考え、話し、それを様々な人に伝えたいと思い、所属しました。私にとって明橋文学ってそういうところです。
私の考えていることをこれから明橋文学でみなさんに伝えていければと思っております。
長々となりましたが、どうぞ、よろしくお願いいたします。
時谷翠
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